短編にも満たないくらい短いのをつらつら書く場所であります。更新頻度は恐らくちょうまちまち。
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・Sound Horizon(冬+紫陽花+菫)
・今日という国民の祝日に書かないでいつ書けと(?
「「ムシュ―――!!」」
はしゃいだような声と共にばたんと盛大に扉が開き、水色と紫の物体が転がるように駆け込んできた。イヴェールは彼らしくなく目を見開いて驚いたような表情を見せる。イヴェールが生まれてくるに至る物語を探していたはずのオルタンスとヴィオレットは、その水色の瞳と紫色の瞳の中にきらきらと輝く星を宿して彼女達よりも大分背の高いイヴェールを見上げる。その様子にイヴェールも苦笑いに限りなく近い笑みを浮かべ、その場に座り込んで姫君たちと目線を合わせた。近くでよくよく見てみると、本当に紫陽花と菫の花を濡らす雨露のような瞳だと思った。あまりに美しく輝いていて、穢れを知らない純粋な透き通る瞳。
「何か素敵な物語を見つけたようだね」
「そう、そうなのですわムシュー!」
「ムシューが生まれてくるに至る物語ではないのですけれど!」
相当興奮しているらしい双児にイヴェールはまた笑みを零し、白く小さなその手を取って、聞かせておくれ、と優しく言った。するとオルタンスがぎゅっと手に力を入れてイヴェールの手を握り、瞳を相変わらず爛々と輝かせたままで話し始める。
「今日は“地平線の創造者”がお生まれになられた日なのですわ!」
「この地平線……世界はその“創造者”が五番目にお創りになられた地平線なのですって。最初に歴史書を巡る地平線を、二番目に死の地平線を、三番目に喪失の地平線を、四番目に楽園と奈落の地平線を、そして五番目にこの物語の地平線を。今は六番目、運命の地平線をお創りになられているそうですわ」
オルタンスの言葉のあとを、オルタンスに比べれば大分落ち着いたらしいヴィオレットが継いだ。イヴェールは眼を丸くして、それからまた柔らかく笑む。
「それはとても祝福されるべき日だ。そうだ、そろそろ薔薇が見頃だから“創造者”に捧げる薔薇を摘みに行こうか」
「ウィ、ムシュー!」
「ウィ」
「指を傷つけてしまわないように手袋を持っていきなさい、オルタンス、ヴィオレット」
「ウィ!」
オルタンスはまだ大分テンションがあがっているようでばたばたといちいち騒がしく動いている。ヴィオレットはそんな片割れを静めながらも、やはりいつもの彼女より楽しそうだ。
部屋の奥へ消えていく姫君たちを見送って、イヴェールは先に外へ出た。庭に咲き乱れる薔薇園に足を踏み入れ、そして真ん中に咲く一番大きな薔薇の茎を惜しげもなく折る、双子が来ないうちに。それを六月の蒼空に掲げ、独り言のように呟いた。鮮やかな蒼に映える真紅の薔薇。
「いつまでも、世界に“愛”が降りますように」
全ての音が消えうせた静寂の中にも、彼らの愛の歌が響いてくれますように。
ドリポネタ入れてみた^^(←)歌詞カードがないのであれですが! 今友人宅にいます……(歌詞が)
時間なくて最後手抜きです……描写足りて……ねえ…… 愛だけはある
はしゃいだような声と共にばたんと盛大に扉が開き、水色と紫の物体が転がるように駆け込んできた。イヴェールは彼らしくなく目を見開いて驚いたような表情を見せる。イヴェールが生まれてくるに至る物語を探していたはずのオルタンスとヴィオレットは、その水色の瞳と紫色の瞳の中にきらきらと輝く星を宿して彼女達よりも大分背の高いイヴェールを見上げる。その様子にイヴェールも苦笑いに限りなく近い笑みを浮かべ、その場に座り込んで姫君たちと目線を合わせた。近くでよくよく見てみると、本当に紫陽花と菫の花を濡らす雨露のような瞳だと思った。あまりに美しく輝いていて、穢れを知らない純粋な透き通る瞳。
「何か素敵な物語を見つけたようだね」
「そう、そうなのですわムシュー!」
「ムシューが生まれてくるに至る物語ではないのですけれど!」
相当興奮しているらしい双児にイヴェールはまた笑みを零し、白く小さなその手を取って、聞かせておくれ、と優しく言った。するとオルタンスがぎゅっと手に力を入れてイヴェールの手を握り、瞳を相変わらず爛々と輝かせたままで話し始める。
「今日は“地平線の創造者”がお生まれになられた日なのですわ!」
「この地平線……世界はその“創造者”が五番目にお創りになられた地平線なのですって。最初に歴史書を巡る地平線を、二番目に死の地平線を、三番目に喪失の地平線を、四番目に楽園と奈落の地平線を、そして五番目にこの物語の地平線を。今は六番目、運命の地平線をお創りになられているそうですわ」
オルタンスの言葉のあとを、オルタンスに比べれば大分落ち着いたらしいヴィオレットが継いだ。イヴェールは眼を丸くして、それからまた柔らかく笑む。
「それはとても祝福されるべき日だ。そうだ、そろそろ薔薇が見頃だから“創造者”に捧げる薔薇を摘みに行こうか」
「ウィ、ムシュー!」
「ウィ」
「指を傷つけてしまわないように手袋を持っていきなさい、オルタンス、ヴィオレット」
「ウィ!」
オルタンスはまだ大分テンションがあがっているようでばたばたといちいち騒がしく動いている。ヴィオレットはそんな片割れを静めながらも、やはりいつもの彼女より楽しそうだ。
部屋の奥へ消えていく姫君たちを見送って、イヴェールは先に外へ出た。庭に咲き乱れる薔薇園に足を踏み入れ、そして真ん中に咲く一番大きな薔薇の茎を惜しげもなく折る、双子が来ないうちに。それを六月の蒼空に掲げ、独り言のように呟いた。鮮やかな蒼に映える真紅の薔薇。
「いつまでも、世界に“愛”が降りますように」
全ての音が消えうせた静寂の中にも、彼らの愛の歌が響いてくれますように。
ドリポネタ入れてみた^^(←)歌詞カードがないのであれですが! 今友人宅にいます……(歌詞が)
時間なくて最後手抜きです……描写足りて……ねえ…… 愛だけはある
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