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短編にも満たないくらい短いのをつらつら書く場所であります。更新頻度は恐らくちょうまちまち。
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・Sound Horizon(Moira*双子)
・思い立ったが吉日なんだぜ(…)双子書きたくて仕方なくて!
・……でもそもそも双子の名前からよくわかってないっていう 適度に誤魔化してます(…
・に、兄さんがエレフ、妹がミーシャ……? 妹はアルテミシアで愛称がミーシャなのかな?;
・奴隷たちの英雄が兄さんだと思うんですが……ギリシャ語よめねえ……
・あと聖女の名前はソフィアで宜しいのでしょうか
・キャラとかストーリーとかは信用しないでくださいね……まだ全然聴きこめてない;
・BGMが死せる者達と死せる乙女なんですが 泣けて仕方ない……!




「もし、もしね、双りが離れ離れになっちゃったとしてね」

兄が唐突にそう言い出して、少女は思わずきょとんとした表情になった。普段いつまでも一緒にいようと話したことは何度もあったが、もし離れ離れになったら、なんて話は一度もしたことがなかったし、お互いにそんなことは絶対にないだろうと思っていたのに。
妹のそんな表情を見て少年は慌てたように手をぶんぶん大きく振り、そういうことはないって思うけど、と前置きした。

「……でも、もしのそのときは、僕がミーシャを見つけるから! 絶対、絶対、どんなに離れたって! 場所がわかんなくたって、きっと僕ならミーシャを見つけられるから!」
「私だって兄さんを見つけるもん!」
「だーめっ! 僕がミーシャを見つけるの、ミーシャは僕が助けにいくの待ってて」
「……どうして」

お転婆な少女が不服そうにぷくりと頬を膨らませた。少年は少しの間言葉を捜しているようだったが、少しすると決意したような鋭い表情になり、小さな胸を小さな掌で力強く叩いてみせる。

「僕はミーシャの王子様になるんだ! この世界でたったひとりだけの、ミーシャの王子様になるの!」

少年がそう言うと、少女は少しの間黙ったかと思えば途端に笑い出した。少年は顔を真っ赤にして、その小さな手で妹を軽くたたく。少女は笑い続けたまま、その攻撃から逃れようと走り回る。少年はそれを追いかけ、少しすると少年も笑い出しいつもの楽しい追いかけっこになった。
双りの体力が切れてどちらからともなく草花の上に倒れこみ、息を整えながらも笑いあっていると、投げ出された少年の手に少女がそっと手を重ねる。

「……じゃあ、そのときは待ってるからね。そのときなんてこないと思うけどっ」
「うん。いつまでも一緒にいようね!」
「うん、兄さん!」

よく似た瞳をした双りは、そう言ってまた楽しげに笑い出す。其れは、世界の悪意を識らぬ幼子の戯れ。







  *  *  *


「そういえば、貴女は誰かを想う詩をよく書くわね。むしろそればかり、かしら」

不意に指摘されて、ミーシャは心臓が少しだけ跳ね上がるのを感じた。ソフィアは今までミーシャが書いた詩を読みながらぶつぶつと何事かを呟いている。だが彼女はざっと目を通しただけでミーシャに返した。そして優しい微笑みをミーシャに向ける。

「誰か大切な人がいるのね。恋人かしら? いつの間にそんな人つくったのよ」
「いえ……。……でも、恋人よりも…大切な人です。今何処にいるかわからないけれど、いつか迎えに来てくれるって信じてます」
「……そう……。あなたから探しに行こうとは思わないのね、いつもの貴女を見ていると自分から行ってしまいそうだけれど?」
「あ、あはは……。……約束したんです、もしも離れ離れになったときは、兄さんが私のことを探しに来てくれるって」

妹よりも泣き虫だったのに、自信満々でそんなことを言って。王子になるって言って、そして、一度本当に、王子様になってくれた。
だからまた、迎えに来てくれると、王子様が来ると信じている。

ミーシャは立ち上がり、星明りで煌く夜空を窓越しに見つめた。窓に触れると、空気で冷えたガラスがひんやりとした感覚を掌に伝える。
世界を支配する深い藍の中で瞬く、一組の双子星。幼い頃双りで見たときに、あの星は私たちだね、と言って笑いあったことがあった。兄と別れてからは、あの星が彼女の心の拠り所だった。あの星は離れていない。だから必ず私たちも会える。きっと彼もこの星を見ている、君を現在も傍に感じている。


ソフィアはそんなミーシャを優しく見つめていたが、しばらくすると踵を返す。

「……遅くまで起きてないで、早くお眠りなさいな、ミーシャ」
「はい、ありがとうございます」

ソフィアに会釈をしてすぐ星空に目を戻す、がたりとドアが閉まる音が背中で聞こえた。ミーシャは窓を開けて風をそのメッシュの入った髪に通し、心地の良い風のなかに身を乗り出す。そして、小さく兄の名前を呼んだ。二回目は少し大きく、三回目は思いきり、夜闇に響くような声で。だが返答などあるはずもなく。
ミーシャは溜息をつき、こみ上げてくる涙をせき止めた。窓を閉めると、彼女の髪に乱れを残して風が消える。そして上着を掛け、そのままベッドに横になった。兄と似ていると言われる瞳を瞼の裏に隠すと、よみがえるのは幼き日の情景。懐かしさといとおしさに涙がこみ上げるが、それは必死にせき止める。泣かないと、決めた。




さよならは言っていない。また双りは出逢えるから。













今死せる乙女のターン。最終的に泣きながら書くという大変な状況に……双子ォォォオオォ
今回は死せる者達ベースだったので、いつかは死せる乙女ベース書きたいです……! 絶対書きたい! 意地でも書く!!
まあ文章力に関してはわかりきってるので割愛
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