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短編にも満たないくらい短いのをつらつら書く場所であります。更新頻度は恐らくちょうまちまち。
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・創作
・仲の悪い双子のお話
・↑読みたいとか言って結局自分で書き出しちゃったという(←


「ねえ、朝倉さんって双子の兄弟とかいる?」

高校に入学して間もない4月中旬、普段話さない、髪色がやけに明るくばっちり化粧をしているようなクラスメイト数人に話しかけられ、柚希は面食らい同時に質問内容にどきりとした。

「え……どうして?」
「ほら、1組の朝倉悠樹くんっているでしょ? 名字一緒だし名前も似てるし、見た目も似てるからもしかしてって思って!」

やたら興奮しているらしい彼女達の様子を見て、思わず胸の中で溜息をついた。彼女達は恋をしているのだろう、だって悠樹はとても目立つ。運動神経抜群で見た目も少しばかり女性的で、かっこいいというよりはむしろかわいいという印象を受ける。頭の方は絶対に良いとは言えないが、明るく社交的な性格は男女問わず人気がある。だが柚希はきらきらとした瞳で見つめてくる彼女達に愛想笑いを浮かべてみせた。普段話さないからか緊張して心臓がとくんとくんといつもより少し早いリズムを刻んでいる。紡ぎだした声もいつもより大分高くなっていた。

「ううん違うよ、偶然なだけ。見た目とか名前とかは似てるかもだけど、中身は全然似てないでしょ?」
「あーうん、朝倉さん地味だもんね!」

自分の中でぴしりと何かにヒビの入る音が聞こえた気がした。実際口に出されると少しばかり傷つく。わかっているのはいるのだけれど、むしろこのキャラを自分で保っているのだけれど。きゃははと甲高い声で笑う彼女達にデリカシーってものはないのかと毒づいてやった。もちろん胸の中でのみ。
だがその時ばたばたと大きな足音が廊下のほうから聞こえてきて、がらがらっと教室のドアが開かれた。

「ゆーずーきぃいいいぃぃいい!!」

途端大きな声で名前を叫ばれ、柚希はびくりと肩を震わせる。恐る恐る振り返ると、ドアから半身乗り出してこっちを睨んでいる悠樹がいた。あまりにも大きな声にクラスメイトの視線も悠樹と柚希に注がれる。

「おまえ母さんからオレの英語の教科書預かったんだろ!? だったらさっさと届けに来いよこっち次英語なんだよ!」
「知らないよ自分で取りに来ればいいでしょ! あんたが忘れたのが悪いんだから!」
「オレはまだ部活入ってないお前とは違ってもう朝練があるの、時間割用意してる時間もほとんどねぇんだから仕方ないだろ!」
「前日に準備しとけばいいでしょ!」
「知るかよ! あ、そうだ、ついでに英語のノート貸して」
「あたしのノート使って授業受ける気でしょ、予習してないあんたが悪いんだから駄目!」
「オレは部活で忙しいから予習なんてしてる暇ないの!」
「部活は理由にならない! あたしの友達だって部活やりながら予習復習やってる子いっぱいいるよ!」

柚希はその言葉と同時に机の中から悠樹の英語の教科書を引き出し、思いきり投げつけた。顔面にぶつけるつもりだったが軽やかにそれをキャッチされ、ちょっと悔しい気分になる。運動神経では完全にこっちが負けてるから、敵わないのはわかっているのだけれど。
呆然としているクラスメイトの視線と、またやってる、という呆れた様子の中学時代からの友人琉羽の視線を感じながら、柚希は最後に一言投げつける。

「ていうかあんたはタイミングが悪すぎんのっ!」
「はぁ? そっちの事情なんかしらねーよ、じゃな!」
「二度と来るな!」

悠樹が去ったあとも悠樹がいた場所を睨みつけていた柚希の姿に、先ほど柚希に話しかけたクラスメイトたちが説明欲しげに琉羽に視線を送った。それに気付いた琉羽はかりかりと午後にある古典の予習をしながらも口を開く。

「柚希と悠樹はれっきとした二卵性の双子だよ」

本人達は認めたくなさそうだけどね、と付け加えて。









割と長くなった
こんなにうるさいの書いたの久々な気が……そうでもないか 多分続く。
ちなみに悠樹が兄で柚希が妹。

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