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短編にも満たないくらい短いのをつらつら書く場所であります。更新頻度は恐らくちょうまちまち。
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・ティーンズ
・の割には神田しか出てこない
・描写ばっかりシリアス  そして救いがありません(…/紗霧には珍しい
・Nコン自由曲の一部をネタにしました(←
・↑コンクールでは結構よく歌われてるから高校合唱通じる方には何の曲かわかっちゃう…かも?
・ちなみに作詩は谷/川/俊/太/郎さん。
・リハビリりはびり……


左胸に灼けるような疼きを感じて、神田はハッと目を覚ました。反射的に上半身を起こすと、割れた窓ガラスから微かに朝陽が差し込んで部屋を照らし出しているのが目に入る。だがまだ太陽はほんの少ししか姿を現していない、光が差し込んでいるといえど部屋はまだ暗く外も暗い藍色に染められていた。まだ4時辺りだろう。
どくん、どくんと左胸が疼く。正確に言えば左胸に刻まれた梵字が、警鐘を鳴らすように疼きを神田の身体に打ちつけている。神田はシャツの上から左胸に手をあて、ぎゅっと強く拳を握った。それでも疼きは止まることなどなく、神田の呼吸は荒くなり、平和な小鳥の囀りの中で苦しげな呼吸音が静寂を支配し破壊していく。次第に太陽はその姿を現し始め、東の空が白み空は藍から柔らかな蒼に変わり始めた。朝が明ける、胸は疼く、それでもまだ、大丈夫、生きている。
部屋が明るくなると共に段々疼きは引いていき、彼の呼吸も安定していく。神田は最後に大きな息をひとつついて、またベッドの中に潜りこんだ。ようやく疼きの無くなった左胸にもう一度手を合わせ、きゅ、と今度は不安げな掌でシャツを握る。脳裏に任務の無い時はいつも一緒にいる3人の笑顔が、ぱっと浮かんで、きえた。
ともに生きるのが喜びなら、ともに老いるのも喜び。ともに老いるのが喜びなら、ともに死ぬのも、喜びで。

(……しね、ない)

それでもその幸運に恵まれることは恐らくないのだろう、この掌の下にあるいのちの残量は、もう、





詩のタイトルは「ともに」なので検索すれば詩とか出てくるんじゃないかなと思います
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